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医学部の2年生に実験を教えてます。昨日はTAクローニングをやったのですが、アガロースゲルからバンドを切りだすときに、「そのバンドのにカミソリいれて」って言ったら、リアクションが「?」

「バンドの泳動先端側」という意味でいったんだけど、どうやら「下」という表現がしっくりこなかったようです。

たしかに、水平方向に泳動されるサブマリン型の泳動槽なので、泳動方向は「前」とか「左」ではあっても「下」ではないね…。SDS-PAGEのゲルは垂直方向に泳動されるので、よくウェスタンのバンドを上下で表現するのが、そのままクセになっていた模様。

完全な初心者を教えるのは、こんなことの連続。無意識に使う言葉が、相手にはさっぱり意味不明だったりするので、自分の言葉づかいを見直すいい機会だったりもする。教えることで、自分の知識があいまいだったり、不完全だったりすることに気づくので、毎年初心者を指導するたびに自分の知識が整理されて磨かれていく気がする。

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あんまり関係ないけど、以前アメリカからの留学生に1ヶ月半実験を教えたことがあって、そのときは実験室用語の日米の違いを感じた。たとえば、小学生でも使ったことのある「三角フラスコ」。英語でなんていうか知ってますか??

答えは、Erlenmeyer Flask。「アーレンマイヤー・フラスク」、です笑。は?って感じでしょ。しかも無駄にRとLが並んでて発音しにくい。

「メスシリンダー」はGraduated Cylinder。何がgraduateするのかと思ったら、目盛りをつけることをgraduateというらしいのです。まぁ、卒業もある意味目盛りみたいなもんか、と納得。

ピペットマンで吸ったり吐いたりして混ぜることを、よく日本語で「ピペッティング」って言うけど、あれは和製英語でして、英語では「pipette up and down」=「パイペット・アップ・アンド・ダウン」と言います。はっきりいって発音するのが面倒なので、当時は「ピペッティング」という日本語を教え込みました笑

論文は全部英語だから、そういう英語は簡単に身につくけど、実験室で使う英語はなかなか身につける機会がないだけに、貴重な体験だった。本当にくだらないことでも、いざ英語で言おうと思うとなかなか思い浮かばないもんだよね…。トークの始まりは「How do you say this in English?」というのが定番でした。

その留学生は中国系だったので、漢字が使えたのが楽だったけど。「自信はない」ってなんて言うんだっけ、と思って、漢字で「自信」って書いてバッテンで消したら、「Oh, so you have no confidence, right?」みたいな笑

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明日はあらーきーのワセオケ定期演奏会@芸劇。ローエングリンのパウケンだそうで、期待してるよ~。

by genta_ito | 2008-02-16 01:02 | 日記

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